時の記憶
− ファースト アンジェリーク SIDE −

クラヴィス様誕生日企画Novel




暁鈴 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




『クラヴィス・・・。あと少しで私は一人の少女となって貴方のもとに戻ります。
 ディアも良くやってくれたのよ。
 後は・・・ディアをディアの愛しているあの方の住む世界へ移動をさせて・・・
 そしたら・・・私は貴方のもとへ戻れるわ』
「アンジェリーク。何か私に出来ることはあるか?
 私に出来ることがあるならば協力は惜しまぬぞ」



いつもの夢・・・。
私が愛した只一人の人が私を支えてくれる夢。



『クラヴィス。なら・・・私を迎えに来ていただけますか?私の最後のサクリアも
この宇宙で再生への生吹へと姿を変えていくでしょう。
思えば長い時間、貴方にもディアにも不自由をかけてしまったわ。
だけど・・・これで本当に最後。
ようやく・・・私は全てを終えて、貴方のもとに帰れるわ。
だから・・・明日・・・、貴方は浚いに来て・・・。この私の宇宙から・・・』











ごめんなさい。。。
私の我儘で・・・貴方を苦しめてしまって・・・。

もう一度、私が貴方を苦しめてしまうことを・・・
私は知っていました・・・けれど・・・

私には・・・私の愛した宇宙を放って置くことなど出来なかったのです。

こんな私を今を想ってくれている貴方を
私は離れていても、誰よりも愛しています。

こんなにも愛しい貴方・・・。



もうすぐ・・・私は、ようやく貴方のもとに帰れるわ。
心だけでなく・・・
私の心と体の全てで・・・



そう・・・最後の役目を終えれば・・・。





・・・・・・アンジェリーク・・・・・・
・・・・・・第256代女王・・・・・・
・・・アンジェリーク=リモージュ・・・
・・・私の声が聞えますか?・・・
・・・私たちの宇宙を・・・
・・・・・・私とディアの愛した宇宙をお願いします・・・
・・・今しばらくの休息と・・・緩やかな時間を・・・
・・・時が来ました・・・
・・・明日、私は只一人愛したあの方のもとに帰ります・・・





「アンジェリーク」

私の傍らでは、スモルニィーの頃からの大親友。
私が女王として宇宙をおさめているとき、いつも傍らに居てわたしを支え続けてくれた
優秀な補佐官が、いつもと変わらぬままに微笑む。

「ディア。ようやく全てが終わる」
「えぇ、そうね。アンジェリーク」
「すまなかった。私一人で宇宙を再生させるはずが・・・ディアまで巻き込んでしまった」
「アンジェリーク。私は好きで貴方についてきたのよ。カティスもわかってくれるわよ。
 カティスもきっと・・・親友を平気で見捨ててしまうような私なら愛してくださらないと思うもの。
 残り少ないサクリア。その全てをかけて、私たちの宇宙をもう一度再生させて
 ・・・あの子達に託すことが出来るのなら・・・私もとても嬉しいわ。
 此処は・・・私にとっても・・・カティスにとっても
 大切な思い出の深い場所。そしてアンジェリーク、貴方にとっても。。。
 貴方はその場所を守りたかったのでしょ。クラヴィスと共に育んできた大切な宇宙を・・・。
 私も同じ。カティスと育んできたこの大切な場所を、私も守りたかった。
 もう一度・・・甦らせてあげたかった。どんなに時間がかかってしまっても・・・
 この場所の時が永遠に止まってしまうことだけは避けたかった。
 だから・・・私は、私の為にここに残ったのよ。
 だからアンジェリーク、貴方が気にする必要はないのよ・・・。
 それに・・・後、もう少しだけ・・・私は貴方と一緒に居たかったのかも知れないわね」



女王の座をリモージュに明け渡し、補佐官の座をロザリアに明け渡して以来
私とディアは、閉ざされた宇宙のなかで残されたサクリアの全てをかけて・・・
ゆっくりと再生への手助けをする。

この宇宙が、あの子達の納める宇宙に悪影響を及ばしてはならぬと・・・
全ての空間を遮断して、封印して以来・・・
この宇宙には私とディアの二人しかいない。



そんな私たちを支え続けたのは・・・私たち二人がそれぞれに愛した者たち。



空間をこじ開けることなど許されない。。



ディアも私も・・・この宇宙に残された、クラヴィスとカティスのサクリア。
そして・・・想い出が、全ての源でした。



時折、夢でみる・・・クラヴィスの姿。



水晶球を操り・・・私の心の中に入ってくるクラヴィスの言葉。
その時間が・・・私の、唯一の支え。



目が覚めれば・・・何もない、暗闇の世界が広がる。
滅ぼうとしていく宇宙の流れに逆らって、
必死で再生へと?ぎとめようと格闘の時間が始る。



手のひらから砂が零れていくように
滅びの時の流れは速い。



そして再生の時の流れは、あまりにもゆるやかで・・・。



外界の全てを遮断した、
この宇宙には・・・私とディア以外は誰も居ない。

親友と心をあわせて、協力しあって・・・
ただただ・・・懐かしい、あの頃のように・・・この宇宙を惜しみなく愛し続けた日々。



時折、懐かしさかみしめながら・・・。



それも今日で終わる。

長かった私たち戦いも・・・全てが終わりを告げ・・・
この宇宙もようやく緩やかに時の流れに乗せて・・・再生を遂げていく。

そして私たちも・・・それぞれの想い人の元へ帰れる。



今のあの子達のように・・・あの頃の私たちに、愛を貫き通すことが出来れば
どれだけ違った人生が送れたかわからない。。。


けれど・・・私とディアが共に選んだ道も・・・決して、間違いではなかったと信じたい・・・。

こうして・・・どんなに時間を隔てたとしても、私たちは帰ることが出来るのだから・・・。





「アンジェリーク」
「準備が出来たの?」
「えぇ・・・。今まで有難う」
「もう行ってしまうのね」
「そうね。カティスが待っていてくれているはずだから・・・。
 一度だけ・・・私とカティスが二人で聖地を離れて、任務で赴いた惑星。
 その惑星の小高い丘の景色によく似た場所で・・・。
 カティスが聖地を離れて、送り届けてくれた一通の手紙。
 そのなかに入っていた一枚の写真。
 あの洋館で私の帰りを待っていてくれているはずだから・・・」





親友は無邪気な少女のような笑顔で、手にしている色褪せ始めた一枚の写真を
愛しそうに胸に抱く。



「ディア、有難う。。。カティスに宜しくね。
 後、幸せになるのよ。。ディアだったら良い奥さんになれるはずだもの。
 私も頑張らなくちゃ。クラヴィスが愛してくれる素敵な女性に。。。」
「そうね。お互い・・・全ての重りをおろして・・・これからが、只人の生活。
 全ての想い出を抱いて、私たちの幸せを掴みましょう」
「えぇ。そうね。。。ディア。。。」





今、此処で離れると言うことは・・・
この先、私たちが再会を果たす可能性が限りなく少ないことを意味する。



私もディアもそのことを知っている。
けれど・・・どちらもその話題には触れることはなかった。



お互いに確かめ合うまでもなく・・・
どれだけ遠くに離れていても、私とディアの絆が乱されることがないことを知っているから・・・。



「ディア・・・またね」
「・・・アンジェリーク・・・また何時か・・・」



お互いの体を抱きあって、ゆっくりと別れの時は過ぎていく。



微かに感じる最後のサクリアを只、一点に集中させていく。
ディアの体がまばゆい金色の光に導かれるようにして・・・
この宇宙のなかから消えていく。

その光を・・・私は一人、見つめていた。



ディアの幸せを祈りながら・・・。



金色の光が消え・・・私は、力なくその場に倒れこんだ。







「アンジェリーク」



ふいに懐かしい声が私を包み込んだ。
その声に導かれるようにして、私は重い瞼を開く。

ずっと夢にまで見ていた愛しい人。

視界にはクラヴィスの姿が映る。
その人が私の体をゆっくりと抱き起こした。

私はゆっくりと手を伸ばして・・・クラヴィスの頬にそっと触れる。
触れた指先から、彼の温盛を感じる。



「・・・クラヴィス・・・」



 彼の顔を見つめながら・・・
私の瞳から暖かいものが流れて頬伝っていく



「迎えに来た」
「・・・えぇ。待っていました。ディアを送りだしてから
 ずっと・・・此処で貴方を待っていました」
「・・・そうか・・・。遅くなってすまない・・・」
「いいえ・・・。貴方は・・・クラヴィスは来てくれたもの。
 約束を守ってくれた・・・わ。私は・・・どうしても今日中に帰りたかったの・・・」
「今日中に・・・?」
「・・・ほらっ・・・。私が居ないとこんな大切なことも忘れてしまうのね。
 ずっと忘れたことはなかったわ・・・。貴方が生まれた今日と言う日を・・・」
「私が生まれた・・・日・・・?」
「えぇ・・・。だから帰りたかったの・・・」
「・・・・・・」
「クラヴィス・・・。誕生日おめでとう・・・。プレゼントは待っててね。
 一眠りして起きたら・・・貴方の大好きなものを作るから・・・」



愛しい人の腕に抱かれながら・・・
私を安堵して・・・深い眠りに沈んでいった。







・・・クラヴィス・・・

本当に来てくれたのね


ようやく・・・私は貴方のもとに帰ることが出来たのね・・・




幸せになりましょう。


今までの全ての時間を取り戻すように・・・




・・・幸せになりましょう・・・



長い時間を経て・・・
ようやく一つに結ばれる



夢に見ていた瞬間なのだから・・・





・・・幸せになりましょう。


この先続く・・・未来の全てを



誰よりも愛しい只一人の貴方と共に・・・





                FIN





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暁鈴さんに許可を貰ってお餅帰りして来た「クラさま誕生日企画」のお話です。
ファーストアンジェを迎えに行くクラヴィス。
彼女の視点で書かれたお話です。暁鈴さんのHPにはクラサイドからのお話もあるので
是非見にいってみてください。
素敵なお話…嬉しいです〜〜。ありがとうございます。








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