闇の子供達〜来訪者の悲しみ



KIEFER ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




 「‥‥お兄ちゃん、お父さんとお母さんここの誰に会うつもりだったのかな‥‥」
 「さあ‥‥。それを探しに来たんだろ。いくぞ。はぐれるなよ」
 「うん」

 年の4っつ違う兄妹は見も知らぬ土地で不安そうに手を握りながら当てもなく歩き始めた。
二人が今いる場所は聖地。もちろん初めてみる場所である。

 聖地といっても二人が生まれ育った街と、そう大きな違いがある訳でもなく
公園に森に湖、森の木々の向こうに見える数々の建物。
公園の中心にある女神像のまっすぐ後ろの方には、ひときわ大きく目立つ宮殿が
静かにそこにあった。

 兄はその建物に目を惹かれまずはそこに足を向けた。
小さく幼い妹の目からは真上に見上げる程の大きな入り口。
そこかしこが立派な装飾でで飾られており、自然の中にある事を好んだ両親と
暮らしていた兄妹は、初めてみるその豪華さに目を奪われていた。

 「‥‥‥‥お兄ちゃぁん‥‥」
 「‥と‥‥とりあえず、誰かに聞いてみよう。誰かいないかな‥‥」

 その時、二人の後ろの角の向こうから誰かがやってくる物音がしてきた。
兄はとっさに妹の手を引っ張り近くの物陰に隠れた。
 そしてやってきたのは、まっかな髪に風格のある鎧、腰には物々しい剣を下げた
父と同じくらいか、気持ち低めの男性だった。
息をのみ男が通り過ぎるのを待って、角を曲がり見えなくなると二人は物陰から姿を現した。

 「お兄ちゃん、どうして隠れるの?」
 「はっ!。そーか。今のやつに聞けばよかったのか‥‥‥」

 とっさの事に心の準備ができていなかった兄は思わず隠れてしまったが
これでこの大きな建物に人がいる事は判ったので、声をかけられる人を探しに建物の奥へと
進もうとした時‥‥‥。

 「あんたたち〜‥‥‥。一体ここで何してるのかな?」
 「うわっっっっ!!!!」

 急に後ろから声をかけられ、二人は心臓が止まりそうな程驚いた。
振り向くとそこには、金の髪に赤やピンクや緑といった鮮やかな色をまとった
先ほどの男とは共通するものの何もない人物だった。
まるで女に見えるその人物は、兄妹と目があうとにこやかに笑い二人の緊張はほんの少し
ほぐれて、ここに来た理由をゆっくりと話しはじめた。

 「あ‥‥‥あの、父さんと母さんがここに用があるはずだったんだけど‥
  来れなくなったから、その‥‥‥」
 「わかった。あんた達が代わりに来たって事?。」

 察しのいいその人物は、兄妹の言おうとする事を正確に読み取った。
きれいな手で妹の頭を撫で、兄に向けて笑顔を見せながら話を続けた。

 「えらいわね〜。それでここの誰に用事なのかな?」
 「それが分からないんだ。でも、ここに来るはずだったんだ」
 「?」

その人物は少し不思議そうな顔をし、また兄妹に訪ねた。

 「ねぇ〜僕。お父さんかお母さんの名前を教えてくれる?。一緒に探してあげるからさ‥」
 「‥‥‥‥‥‥‥‥”クラヴィス”‥‥」
 「えっ??」
 「お父さんの名前だよ。黒い髪に紫色の目をしてるの」
 「‥‥あんたたち‥‥あのクラヴィスの子供なの?」
 「父さんを知ってるのか?」
 「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

 その人物はそれまでの笑顔が消えて素の顔に戻っていた。
その様子からして兄妹の父親”クラヴィス”を知っているのは間違いなかったが‥‥。

 「なあ!!」
 「‥‥ああ、知ってるよ。ここはあんた達の父さんが長い間過ごした所だからね。
  私がここに来る前からここにいた人だよ」

その時、その人物の後ろから先ほどの赤い髪の男が歩みよってきた。

 「オリヴィエ!。何だその子供達は?」
 「‥オスカー‥」

 それまで兄妹と同じ目線まで話していた、オリヴィエと呼ばれたその鮮やかな人物は
オスカーと呼び返した赤い髪の男と何やら話し合っていた。

 「‥‥‥そうか。よく来たな二人とも。さあ、おいで」
 「なあ、あんたが父さんと母さんが会いに来るつもりだった人か?」
 「それは正解でもあるし、不正解でもあるな。
  お前達の両親は、ここにいる全員に会いに来るつもりなんだろう。
  で?、一緒じゃないのか?」
 「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
 「?」
 「一緒じゃないよ。俺達だけで来たんだ。‥‥父さんと母さんはこない」

 兄妹の妙な態度にオリヴィエとオスカーは、何か訳ありなのかと顔を見合わせたが
取りあえず、こんな場所で話もなんだからと二人を部屋に案内した。






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 柔らかなソファーに座らされた兄妹は、目の前に座る二人の顔をちろちろ見ながら
重い口を開けた。

 「父さんと母さんはこない。ここに来る途中の飛行機が‥‥爆発して‥‥」
 「!!!!!」

 兄の口をついて出た言葉にオリヴィエとオスカーは凍り付いていた。
妹の方はすでに目に涙をいっぱいにためて、兄にすがりついていた。

 「俺達、父さんと母さんの他には身寄りもないし、孤児院に入れられたんだけど
  父さん達がどこに行こうとしてたのか知りたくなって‥‥」
 「嘘でしょう‥‥‥クラヴィスが‥‥‥‥」
 「俺達も一緒に乗ってたんだけど、飛行機が爆発する前に俺達だけ
  非常用のポッドに乗せてくれて‥‥‥」

 下界にある旅客機などには、非常事態のための脱出用ポッドを備え付ける事が
義務付けられている。
何かあった場合は、その如何に関わらず子供を最優先に助ける事が決められていた。
おそらく、押し迫った死に両親は覚悟し自分達よりも子供達の命を優先させたのだろう。

 「‥俺がどこに行くのか聞いたら、”懐かしい人に会いに行くんだ”って‥‥
  みんなに紹介してあげるから‥お行儀良くしてねって‥‥」

 気丈にふるまっていた兄はぼろぼろと涙を流しながら必死にそれを堪えていた。
妹の前では大声を出して泣く事も出来ないのだろう。
妹もそんな兄の様子を見ながら、広いソファーの上で兄にくっつくようにしていた。
唇を噛み締めて必死で堪える兄を、オリヴィエは優しく抱き締めた。

 「もういいよ。わかったから‥‥」

 その言葉に両親が死んで初めて兄は大声で泣きはじめた。
まだ少年の小さな手で涙を拭いながら、それでも涙は止まらなかったが‥‥。

 「‥‥辛かったね‥‥。よく頑張った‥。もう大丈夫だからね‥」

 兄は大声でわんわん泣き続けた。つられて泣き出す妹をオスカーが抱き上げ
その胸に優しく抱き締めた。

 やがて泣きつかれて眠ってしまった兄妹を、オリヴィエの屋敷につれて帰り
二人を同じベッドへと寝かせた。
二人の泣き腫らした目に冷たいタオルをかけ、その傍らではオスカーが無言のまま
兄妹を見つめていた。

 「‥‥オスカー‥‥、悪いけど‥‥」
 「ああ。俺がみんなに知らせてくるから、お前はそのまま二人についててやれ」
 「頼むよ‥」

 足取りも重く、最悪の訃報を持ったオスカーはオリヴィエの屋敷を後にした。






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闇の子供達〜桜と光






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 目が覚めて兄妹が目にしたものは、柔らかな桜色の髪の物腰穏やかな女性だった。
二人が起きた事に気付くと、あたたかな笑顔で二人に声をかけてきた。

 「おはよう、目が覚めたのね。お腹空いたでしょう?」
 「‥‥誰?」
 「あら、ごめんなさい。自己紹介がまだだったわね。
  わたくしはディア。あなた達のお母さまとは古くからの友人なのよ」
 「母さんと?」
 「ええ。‥さぁ、向こうの部屋に夕食が用意してあるわ。行きましょう」

 ディアに手を引かれて幼い兄妹は食卓へと向かった。
二人が起きたのはかなり遅い時間で、外はすっかり暗くなっており
先に食事を終えたオリヴィエがお茶を片手に一息ついていた。

 「あ〜ら、やっと起きたのね。あれだけ寝ればお腹もぺこぺこでしょ。どうぞ召し上がれ」
 「‥‥‥いただきます」

 兄が食事に手をつけたのを見て、妹も食事をとりはじめた。
食べはじめた二人の様子を見て安心したディアは、二人のグラスに飲み物を注ぐと
向いの椅子に腰掛け、話を切り出した。

 「ねえ、食べながらでいいから聞いてくれる?。
  あなた達、これからどうするの?。行く当てはあるの?」
 「‥‥あてなんて‥‥用事がすんだから孤児院へ帰るよ」
 「孤児院へ?。‥‥‥‥‥ねぇ、これは提案なんだけど‥‥
  あなた達さえよければここでわたくし達と一緒に暮らさないかしら?。
  アンジェリークとクラヴィスの子供なら、わたくし達にとっても家族同前だわ。
  ‥‥‥どうかしら?」

 兄は突然のディアの言葉に困惑した表情を見せた。
それまで家族4人で幸せに暮らしてきたとはいえ、その両親を突然亡くし
引き取る親戚もなく孤児院に入れられた子供達が、他人に対し不信感を持ってしまうのは
仕方のない事ではあったが‥‥‥‥。

 「子供が遠慮なんかしてんじゃないわよ。どうしたいのかハッキリと言って御覧。
  本当に孤児院へ帰りたいの?」
 「帰りたくない!!」
 「なら‥‥」
 「‥‥‥でも」
 「あんたが何を心配してんのか分かるわ。だったら、コーしない?。
  決めるまでの間、ここでゆっくり遊んで行きなさいよ」


 オリヴィエの案に迷いながら、兄はディアの顔を伺った。
優しくうなずいたディアにやっと首をたてに振った。

 「よかった!!。なら今日はもう遅いからここで休みなさい。
  オリヴィエ、開いてる部屋を一つお借りしてもよろしいかしら?」
 「もちろん。今用意させるわね」

お腹いっぱいに食事を済ませた後二人は風呂に入って寝室へと案内された。

 「‥さ、ぐっすりおやすみなさい。また明日、迎えに来ますからね?」
 「おやすみなさい‥」

 部屋の明かりを落とされ二人は、ダブルサイズの大きなベットに
くっつくようにして潜り込んだ。
急な事の運びに妹は不安感を募らせていた。

 「‥‥‥お兄ちゃん‥‥」
 「大丈夫だよ。ほら、あの人母さんの名前教えていないのに知ってただろ?」
 「‥‥‥‥うん‥‥」
 「だいじょぶ。にいちゃんがついてるんだから‥」

 目まぐるしい一日を終えた兄妹はものの数分で眠りについた。
暗闇の中に父親の空気を感じる兄妹にとっては、夜は一番安心できる時間帯だった。









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 緑「ジュリアス様ー!。おじゃましまーーす」

 平日だと言うのにその日は午前中からジュリアスの屋敷には何人もの守護聖が訪れた。
下界に降りたクラヴィスよりも早く守護聖交代を迎えたジュリアスは
歴代の首座が皆そうであったように、(*)女王陛下の相談役として
聖地に留まっている。先代はその事をどの守護聖にも内密にしていたが
内密にしなければならない決まりがある訳ではなく、そこは個人の意志にまかされ
ジュリアスの場合、こうして時間があるとどの守護聖達も屋敷に訪れているのであった。

 「何ごとだ。マルセルにランディ‥‥、それにルヴァまで‥‥。今頃の時間は執務中のはずだ」
 「オリヴィエ様に、クラヴィス様とアンジェリーク様の御子様がこちらだとお聞きしたので‥‥」
 「‥‥‥そうか‥‥」
 「あ‥‥もしかして、賑やかなのはまずいですか?」
 「いや‥‥、あの二人はまだ幼いからな。賑やかな方が気がまぎれてよいかも知れぬ‥」
 「よかった!!。思いきって来て正解でしたね、ルヴァ様」
 「‥‥--あーー、そうですねぇ‥‥‥」

 屋敷の者に案内されて、兄妹のいる部屋へ向かうマルセルとランディ、ルヴァの
背中を見ながら、ジュリアスはふと物思いに耽っていた。

 自分よりも後に交代を迎えたクラヴィスを、下界へと送りだしてやっと
1年経ったか経たないかくらいの時間が過ぎた。
ジュリアスとクラヴィスにとってお互いは、人生の大半を共に過ごした相手で
その相手がいなくなるという事は、少々寂しい気持ちのする出来事だった。

 顔をあわせれば眉間にしわを寄せ、目くじらをたてて反発しあっていた仲だったのに
そんな日常を終えて訪れた静けさは、物足りない事この上なかった。

 しかし、互いに新しい人生を歩き出し、幸せに過ごしていると思えばこそ
物足りなさも楽しめたが、こんな結末を迎えては、それは空しさと呼べるものに変わってゆくだけ‥。
今は古い友人が残したまだ幼い二つの命を、彼等の代わりに見守って行く事を心に思っていた。


(*)詳しくはWAITINGROOM・VERVAIN ウェルウァインを見てね。





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闇の子供達〜希望と絶望






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 ジュリアスが部屋につくと、マルセルら3人が兄妹を取り囲んでいた。
わいわいと騒ぐ声が部屋に響き、兄妹の顔も少し和らいでいる。

 「でも、クラヴィス様がお父さんか‥‥、なんだか想像出来ないよね」
 「あー‥‥顔つきはクラヴィスの小さい頃に似ていますね‥‥」
 「びっくりしたよな‥。クラヴィス様達が下界へ降りたのって1年くらい前なのに」
 「お前達、気持ちは分かるが興奮し過ぎじゃないか。二人が怯えてるぞ」

 少し遅れてオスカーがやって来た。兄妹にばかり気をとられていた3人は
声をかけられるまでその事に気付かなかった。

 「オスカー様‥‥」
 「オスカー!」
 「えっ?」

 オスカーの姿を目にすると、妹がその名を呼び足下に近寄った。
だっこをねだるように両手をあげると、オスカーは軽く妹を抱き上げ頭に軽くキスをした。

 「嬉しいな。もう俺の事を覚えてくれたのかい?。小さなお嬢ちゃん」
 「オスカー様ったら手早すぎ‥。こんな小さな子まで‥‥‥」
 「冗談が上手くなったな、マルセル」
 「冗談?。今のどこが冗談だったんですか?」
 「‥‥‥ランディ‥‥」

 和やかな雰囲気の中、ジュリアスはいつもならそこにあるはずの人が足りない事に気がついた。

 「ゼフェルはどうしたのだ?。いつもなら共にいる事が多いのに、今日は姿が見えぬ」
 「ゼフェルなら、ディールとディア様と一緒に陛下に御会いしに行ってます」
 「陛下に?」

 ”ディール”という人物は、クラヴィスの後任の闇の守護聖になった
”ディルエルダー”という12歳の少年だった。
物静かだが意志は強く、12歳とい年令の割には少し落ち着き過ぎている少年。

 ゼフェルはジュリアスの後を継いで首座となっており、ジュリアスがゼフェルを新しい
首座に指名した時は、ゼフェルを含めた8人が”何故?”と口にしたが
いざなってみると彼は周りの皆が驚く程、そつなく首座を勤めていた。
認められ期待される事で、以前のような反抗的な態度もなくなり
今は首座として皆に信頼されている。

 (ディアも一緒だという事は、もしかして昨夜のあの話の事かも知れぬ)


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 「火急な陛下への御目通りとは、一体どうしたのですか?、ゼフェル」

補佐官のロザリアが陛下の横でゼフェルに向かって問いかけた。

 「ああ、クラヴィスの事なんだけど。
  陛下の名前を借りて、クラヴィス達の行方を探さしてくんねーかな」
 「でも‥‥‥お二人は飛行機の爆発に巻き込まれてお亡くなりになったと‥」
 「そうなんだけどさ、あの兄妹は実際に死んだという事実を見た訳じゃねーし‥。
  ‥‥‥ほら、ディール話してみろ」
 「はい。‥‥僕はクラヴィス様がお亡くなりになったなんて信じられません。
  クラヴィス様はきっと生きてます。どうしてか、と聞かれたら
  上手く言えないけど、あの方がまだ聖地におられた時と同じように
  クラヴィス様の気配を感じるんです。‥‥だから‥‥‥」
 「わたくしからもお願いします。昨日ジュリアスとも話し合ったんですけど
  生きている可能性がほんの少しでもあるなら、それを信じたいんです。
  その結果、やっぱり亡くなっているのだとしても、暗い海の底よりも
  きちんと葬ってあげたい‥‥。お願い致します」
 「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥分かりました。
  女王の名を使えば多少の無理もききましょう。お好きなようになさい」
 「それでさ、捜索はジュリアスに頼んでもいいかな。
  俺がやってもいいけど、けっこう仕事も忙しいしよ、あいつの方が集中してできると思うんだよ」
 「ええ。それはジュリアスが構わなければそうするのがいいでしょう」
 「じゃぁ、事がはっきりするまであの兄妹には内緒にしておいて欲しいんだ。
  へんに期待させたくねーし」
 「分かりました」

女王陛下の許可をもらいゼフェルは二人と共に、そのままジュリアスの所へ向かった。




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 「あれっ?、ゼフェル‥」
 「よお」
 「女王陛下に一体何の話をして来たんだ?」
 「ちょっとな‥‥‥。ジュリアス少しいいか?」
 「あぁ…」

ゼフェルはジュリアスを部屋の外に呼び出すと、戸を閉めて話を始めた。

 「昨日さ、ディアと話したんだろ?」
 「やはりその件か‥‥」
 「陛下に話して許可もらって来たからさ、クラヴィス達の行方をあんたに探して欲しいんだ」
 「私に?」
 「ああ。その方が集中できるだろ」
 「わかった。二人の事は私も気になっている。その話引き受けよう」
 「サンキュー。で、あの二人には‥」
 「内密にしておいた方がよいであろう。真実がはっきりとするまではな‥」
 「やっぱり‥‥。あんたが相手だと会話も楽だよな。余分な事言わなくてすむし」

 ゼフェルはニッと笑うと、そのまま戸を開けて部屋の中に入っていった。
ジュリアスの後ろではディアが心配そうな表情で、部屋の中の兄妹を見つめている。
その肩にジュリアスの手がそっとかかり、ディアを抱き寄せた。

 ディールはああ言っていたが、現実問題として爆発に巻き込まれて
助かる人なんているんだろうか?。
惨く、残酷な現実を明るみに出してしまうより、今のまま”多分生きてはいないだろう”という、
あやふやできれいな記憶のままにしておいた方が、あの兄妹の為には良いのだろうか?。
 でも、これから二人の行方を捜索していくからには、まず自分が信じなければならない。
二人が生きていると言う事を。二人の遺体を‥残酷な現実を目にするまで
決して諦めないという事を‥‥‥。




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オリキャラでまくりの新シリーズです。
こういうの好きなんです。好きなカップルの子供の話って。
でもせっかくだから、シリアスに挑戦してみました。そしたらばんばん皆さんの知らない
オリキャラが‥‥‥‥うぇ〜〜ん。ま、いっか。






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