禁断の恋



KIEFER ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




 日の沈みかかった夕暮れ時。赤く染まった夕日が窓の外の住宅街に沈んでいくのを
ルヴァは少女の肩ごしに見ていた。

 教師になって早3年。教師という仕事にも慣れ1クラスを受け持った年に
こんな事になるなんて‥‥と、ルヴァはぼんやりと頭の中で考えていた。

 まだ大学生だった頃は、女性と付き合ったりするよりも本を読んでいたような気がする。
気付けば結婚を周りに意識される歳になっていたが、「男は30から」という言葉もあるし
自分ではそう深く考えてはいなかった。それに世間一般がどうであろうと
自分はまだ女性と付き合うという事は、まだ早いような気がしていたのに‥‥‥。

 「アンジェリーク・コレット」
彼女は自分の受け持つクラスの1生徒で、自分とは10も離れた年のまだ少女という
言葉がぴったりの女子高生‥‥。
それがいつの間にやら担任教師であるはずの、自分の恋人となっていた。

 「‥‥アンジェリーク、私との約束を忘れたんですかー?。
  あなたが卒業するまで、私達の関係は秘密にしておこうと約束しましたよね?」
 「ええ、もちろん覚えてますよ。だから友達にも家族にもいってません」
 「しかしですね、校内でこんな事をしている所を誰かに見られてしまうと‥‥
  そのー‥‥ですね‥‥‥ー」

 いまの状況は放課後の人のいなくなった教室の中で、生徒の机に腰をかけるルヴァの
胸の中にアンジェリークがすっぽりとおさまっている。
ルヴァは男としては特別に大きい体をしている訳ではないが、それでも小さな恋人は
ルヴァの体で隠されてしまう。
 教師と生徒という複雑な関係のために、普通の恋人同士のようなデートも何もできない事を
ルヴァは少し申し訳なく思っていたが、それでもアンジェリークはこうして
抱き合っているだけでも満足そうな笑みを見せていた。
できる事なら彼女の気がすむまで、こうしていてあげたいのはやまやまだったが
なんせここは学校の中。職場なのだ。
アンジェリークとは反対にルヴァはどうにも落ち着かない気分だった。

 「アンジェリーク‥‥?」
 「先生ったら‥‥ムードないんだから‥‥‥。今何時だと思ってるんですか?。
  ‥放課後の誰もいない教室の中。夕日のさす部屋に二人きり‥。
  こんなに素敵なシチュエーションの中で、いう事はそんな事?」
 「‥えー‥‥‥確かに素敵ですけれど‥‥そのー
  誰かにもし見つかったらと思うと‥そのどうも落ち着かないんですよ‥」
 「でも先生一人暮らしのくせに家にも来ちゃダメだっていうし、
  外じゃ逢ってくれないし‥、二人っきりになれるのって放課後しかないじゃないですか‥」
 「‥ーーそれはそーなんですけど‥‥‥」
 「‥‥‥‥‥‥わかりました。じゃあキスしてくれたら今日はもう帰ります」
 「!!!アンジェリーク!?。ここでですか???」
 「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

 驚くルヴァをよそに、アンジェリークは瞳を閉じてルヴァのキスを待っていた。
教師としての自覚と責任に、ルヴァはかなり後ろめたい気持ちになったが
恋人と触れあっていたいのはルヴァもアンジェリークと同じだった。
きょろきょろと辺りを見渡し、自分達の他に誰も居ない事を確認すると、
アンジェリークに優しく唇を重ねた。
ルヴァの首に腕をまわしてきたアンジェリークの背中に、そっと手をまわし
その細い背中をきゅっと抱き締めると‥‥‥‥‥、

‥ふいに後から物音が聞こえ振り返ると、そこに立っていたのは教育実習生の‥‥‥

 「オ‥オオスカー!!???。いいいい一体、いつからそこに!???」
 「‥‥いつからって、教室の中に人の気配を感じたんでふいに目をやったら‥」
 「オスカー先生?」
 「アンジェリーク??。‥‥‥これは驚いたな‥‥。
  まさかあんたが生徒と付き合っていたなんてな‥‥‥」
 「‥こっこれは、‥そそその‥‥‥‥!!!」

 焦ったルヴァはパニクった頭の中で必死で上手い言い訳を考えていたが
考えれば考える程、頓珍漢な事ばかりが頭の中を走り回っていた。
”こんな事が学校側にばれてしまったら、私は間違いなく首になってしまう。
 ‥‥今から新しい職を探すとして‥ーー、今月の家賃と光熱費と食費と‥‥‥
 諸々をあわせて*****円になって、貯金が******あるから‥え〜と
 *月までには新しい仕事を見つけなければ‥‥こんな場合退職金はもらえるんでしょうかね〜‥
 あぁぁぁこんな事を考える前に、こんな事にならないための
 何か上手い言い訳を考えなくては‥‥‥。”
考えれば考える程、その内容は脱線していった‥‥。

 (なんとか誤魔化さなくては‥‥‥。私の事はともかくアンジェリークが‥)

 ひとり狼狽するルヴァの前にアンジェリークが飛び出し、オスカーの元に駆け寄った。
オスカーの腕を掴み教室の中に引き込むと、廊下を見渡し戸を閉めた。

 「‥‥オスカー先生‥‥この事誰かにいいます?」
 「‥‥そうだな‥‥。教師としての立場からいえば許される事ではないな‥‥」
 「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

 アンジェリークはオスカーの両手を掴み、そのまま自分の胸ぐらに手を置くと
両手を思いっきり左右に引っ張った。引きちぎられたブラウスのボタンが
床に数個落ち、アンジェリークの白い胸があらわになった。
ルヴァは思いもしないアンジェリークの行動に、ますます声を無くしまさに”フリーズ状態”である。
しかし、女性との付き合いに馴れているようなオスカーは、それしきの事では驚きはしなかった。
開いた胸元をいやらしく見つめる事もせず、表情を変えずにいる。

 「もし私とルヴァ先生の事を誰かに言うつもりなら、この状態のまま思いっきり悲鳴をあげますよ」
 「フッ‥‥‥ずいぶんと勇ましい事だな‥」
 「私は本気ですよ。私、本当にルヴァ先生の事好きなんです。だから邪魔しないで下さい‥‥」
 「‥‥人の話はきちんと最後まで聞くもんだぜ‥お嬢ちゃん。
  教師と生徒が付き合うなんて、確かに許される事ではないが
  愛しあう男女を引き離す壁なんてない。
  二人が心から愛しあっているのなら、許されない事など何もない。
  ‥‥‥ただ、本気で付き合っていくつもりなら、大事な人のために
  時と場所は考えてやるもんだぜ、ルヴァ」
 「‥‥‥はっ‥‥はい‥。かえす言葉もありません‥‥」
 「お嬢ちゃんも‥相手が困るような我がままは、我慢する方が女が上がるぞ」
 「よけいなお世話ですっ」
 「ハハハ‥‥その、なりふり構わない強気なところは、引かれるものもあったけどな。
  色気が出るのはもう少し先だな‥‥」
 「/////もーーーー!!。オスカー先生!!、失礼ですよ!!」
 「見つかったのが俺であった事を感謝するんだな。
  これが学年主任のジュリアス先生だっりしたら、大変な事になってたぞ」

 オスカーは床に落ちたボタンを拾い、アンジェリークに手渡すと
二人に向かってひらひらと手をふって教室を後にした。
どうやら黙っていてくれるらしいオスカーの態度に、ルヴァはホッと胸をなで下ろした。

 「‥‥ふぅ‥‥‥‥。アンジェリーク、もうそろそろ帰りましょうか‥‥」
 「はぁ〜〜い」
 「!!(////////////)!!!」

振り返ってこちらを向いたアンジェリークを見て、ルヴァは顔を真っ赤にしていた。

 「??。どーしたんですか、先生?」
 「アアアアアンジェリーク‥‥!!。前‥‥前を隠して下さい!!」
 「前?。‥‥あ」

 アンジェリークはさっき思いっきりブラウスを引っ張ったせいで、前が開いて
白い肌と下着が丸見えの状態のままだった。
オスカーはたじろぐ事はなかったし、オスカーで隠れてアンジェリークがどういう状態か
ルヴァはよく分かっておらず、振り向いたアンジェリークを見てやっとその状態を理解していた。

 「やぁだ‥、先生そんなに焦らなくったっていいじゃないですか。
  こんなの水着みたいなものですよ」
 「(/////////)し‥‥しかし‥‥ですね‥‥」

 ルヴァはとっさに顔を横に背け、アンジェリークを見ないようにしていたが
アンジェリークははだけた胸を隠す事もせず、ルヴァに近付いた。
やがて触れあう程そばによっても、ルヴァは赤い顔を横に向けて目まで瞑っていた。
その様が、アンジェリークはなんだか可愛く思えたが、だんだん面白くない気分になっていった。

 「先生、どーして私を見てくれないんですか?」
 「どーしてと言われてもですねぇ‥‥‥‥。その‥‥失礼になりますし‥‥」
 「失礼??。何がですか?」
 「あ‥‥---その--ですね‥‥‥‥女性の体をじろじろと見るものではないですし
  ‥‥そんな風に見られたらあなたも不快な思いをするでしょう?」
 「先生って意外と礼儀知らずですね‥‥」
 「はい?」
 「私の事好きなら、男らしくきちんと見て下さいっ!」

 アンジェリークはルヴァの顔を無理矢理自分の方に向けた。
しかししっかりと目はつぶったままで、見ようとはしなかった。

 「先生‥‥‥‥そんなに私の身体って見たくないものなんですか‥‥?」
 「そーいった訳では‥‥‥その‥‥‥あなたの体は私にとっては‥‥
  十分すぎる程魅力的ですし‥‥あ‥--その--‥なんと言ったらいいんでしょうかねぇ‥‥」

 しどろもどろに弁明をするルヴァの姿に、アンジェリークは
さっきのオスカーの言葉がふっと頭に浮かんだ。
  ”相手が困るような我がままは、我慢する方が女が上がるぞ”
アンジェリークはふぅ‥、とため息をつくとブレザーを着て身だしなみを整えた。

 「‥‥もういいですよ。隠しましたから‥‥」

 やっと目を開けたルヴァが見たものは、がっくりと落ち込んだアンジェリークの姿だった。
こんな顔をさせるんだったら、ちゃんと見てあげればよかったですねぇ‥‥などと思いながら
自分の考えにまた顔を赤くさせていたが、アンジェリークの姿を見ると、胸が痛んだ。

 「アンジェリーク‥‥。今夜、いつもの時間にまた電話しますから‥‥。
  ね?‥‥‥機嫌直して下さい‥‥」
 「‥‥‥‥‥‥‥‥‥きっとですよ」
 「ええ、必ず電話します。」

 そう言ってアンジェリークのおでこに軽くキスをして、優しく笑いかけると
アンジェリークはやっと笑顔を見せた。

 帰り支度をすましたアンジェリークと、誰もいない廊下を歩きながら
ルヴァはふっとため息をついていた。

 「なんですか、先生?。さっきからため息ばっかり‥‥」
 「あ‥‥‥--いえね、同い年とはいかない間でも、せめてあと5年‥‥
  遅く生まれていればなぁ‥‥‥--と‥‥」
 「私も、もっと早く生まれたかった。先生とつり合うような‥‥‥‥。
  先生‥‥。いつかちゃんと見て下さいね。私がもっと大人になったら‥」
 「(/////)‥---えぇ、そーですねぇ。‥‥‥いつかはね‥‥」




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こんなもの書いてみました。パラレルです。
関係ないけど、これでいくとクラヴィスは教育実習生だった時に生徒だった
「アンジェリーク」とおつき合いしたのち、結婚してそう‥‥。
は!、これはルヴァとコレットの話だったわね‥‥‥。
ちょっと思い付いてみただけなんです。
深い意味はありません‥‥‥。






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