KIEFER ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
その日は二人にとってとても楽しい1日だった。
アンジェリークがルヴァに思いを告白してから初めての”恋人同士”としての
日の曜日のデート。
ルヴァの私邸で話をした後、軽く食事をし、公園へ出かけ、
森の湖に二人で訪れた後、アンジェリークを寮まで送る‥。
以前と変わらぬデートコースではあったが、アンジェリークはどきどきしっぱなしだった。
ふと触れあう指先、重なる視線、その先には恥ずかしそうに照れ笑いをする
ルヴァの笑顔と、それに答えるアンジェリークの笑顔。
「送って頂いてどうもありがとうございました」
「いいえー。今日はとっても楽しかったですよ。また次の日の曜日が待ち遠しいですねぇ。
こんな暗くなるまで引っぱり回してすみませんでしたね。
もう遅いのでこれで失礼します」
「‥‥あれ?」
アンジェリークは部屋を出て行ったルヴァを追いかけて走った。
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「ルヴァ様!!。待って下さい、ルヴァ様!」
「アンジェリーク??。一体どうしたのですか?」
アンジェリークは息をきらしながら言った。
「ルヴァ様、何か忘れ物していませんか?」
「忘れ物??。‥‥‥えぇ〜と‥‥。 あぁ!。ありました」
「なんですか?」
「おやすみの挨拶を忘れてましたねー。私としました事が‥‥」
アンジェリークはガクッと肩が落ちた。
「そうじゃなくて‥‥。もうっ!!。ルヴァ様のニブチン!!」
「は??。‥‥ニブ‥‥??」
アンジェリークは、つま先で背伸びをし、顔をルヴァに向けると目をつむった。
これは、鈍いルヴァにも解る、”KISS”のおねだりのポーズ‥‥。
「!!!あ‥あァ‥‥アンジェリーク???」
思わず後ずさりするルヴァの手を掴み引き寄せた。
「‥‥‥ん‥‥‥‥‥」
「‥‥あ‥‥アンジェリーク‥‥。こういった事は‥‥その
屋外では‥誰かに見られてしまうのでは‥‥と‥‥」
「こんな時間では誰も歩いてませんよ。それにこんなに暗くては顔も解りません」
「‥‥しかしですねぇー‥‥」
「なら、部屋の中でならシテくれるんですか?」
「へっ部屋!!???。」
ルヴァは思わぬ事まで連想してしまい、妙な声をあげてしまった。
「‥‥ルヴァ様‥‥早く‥‥」
「あああぁぁーー‥‥」
しびれをきらしたアンジェリークは、カッと目を見開くと
ルヴァの胸元をぐっと掴んで引っ張った。
ひかれるままに少し屈んだルヴァに近付くと、そのまま自らKISSをした。
アンジェリークの強引な行動にルヴァは固まるばかり‥‥。
「次からはルヴァ様からして下さいね。♥
今日は楽しかったです。おやすみなさい」
そうして、照れた様子も見せずアンジェリークは元気に走って帰っていった。
1人残されたルヴァはその場にしゃがみ込むと、深いため息を一つ‥‥。
「はあぁー‥‥。あなたにはいつもびっくりさせられますね。
予測できないその行動も、あなたに惹かれた魅力の一つなんですけど‥‥、
毎回こんなでは私の身が持ちませんネェ‥‥」
ルヴァは、年寄りじみたかけ声をかけながら立ち上がると、
アンジェリークのいる方向を見つめ、彼女との間の距離が離れるのを惜しむように
ゆっくりと館のある方へ足を向けた。
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ルヴァ様&勝ち気ちゃんです。
元気ちゃんのような気もしちゃうけど
あくまで勝ち気。鈍いルヴァに自分から迫る強い女の子です。
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