トラブル〜1



KIEFER ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




 その日、アンジェリークはいつものように遊星盤に乗り、エリューシオンの様子を見に行った。
リオと話をして、大陸を一回りすると研究院に戻り、特別寮に戻った。
 そして次の日、アンジェリークはある異変に気がつく‥‥。

 「あら?。あそこを歩いていらっしゃるのは‥‥‥オスカー様‥‥‥に、リュミエール様?」

 宮殿へ向かう途中のアンジェリークは向こうから歩いてくるオスカーとリュミエールに気がついた。
しかし、二人ともいつもと様子が違っていた。そもそもあの二人が一緒にいる所を見かける事が珍しく
アンジェリークは挨拶も含めて声をかけたが、二人はそれに気付く事なく話をしながら歩いている。

 「まったく!!。仕事熱心なのも程が過ぎるというものだ!。
  ジュリアス様には仕事をするしか脳がないと見える!」
 「なにをおっしゃいますやら‥‥‥。そういうクラヴィス様はもう少し、真面目に執務に
  向かうべきなのではありませんか?。わたくしたちは女王陛下の為、ひいては下界に住む
  多くの人達を守り、導くという、役目を持ってここにいるのですよ?」
 「なんだと!?。クラヴィス様を侮辱する言葉は許さんぞ、リュミエール」
 「それはこちらの台詞です。ジュリアス様ヘの暴言は慎んで頂きましょうか」
 「(ええええぇぇぇ〜〜??。一体どうなってるの〜??。
   オスカー様はジュリアス様、リュミエール様はクラヴィス様と仲がよかったんじゃぁ??」

 オスカーとリュミエールの話の内容に戸惑っていると、二人はアンジェリークに気付き
険しい表情のまま歩いてきた。

 「(きゃあぁぁ〜〜。)」
 「お嬢ちゃん、いい所に居たな。一つ聞きたい事があるんだが。」
 「‥‥は‥‥はい。なんでしょうか」
 「お嬢ちゃんはクラヴィス様とジュリアス様。どちらがより、守護聖として完璧だと思うか?」
 「それはわたくしもお聞きしたいですね。アンジェリーク、よろしければ
  あなたの素直な考えをお聞かせください」
 「えぇ!?。え〜〜〜っと」
 「無理する事はないんだゼお嬢ちゃん。思ったままをこのわからず屋に聞かせてやってくれ」
 「優しいあなたには酷な質問ですが、情けは無用です。はっきりとこの方にも教えて差し上げて下さい。
  ジュリアス様の方が守護聖としての役目を立派に勤めていると」
 「何を言う!!。クラヴィス様の方が守護聖のなんたるかを深く理解しておられる。
  ジュリアス様はもっとクラヴィス様に敬意を払うべきだ!!」
 「クラヴィス様の方こそ、ジュリアス様をもっと見習われた方がよろしいのでは?」
 「あのあの‥‥‥‥‥‥」

 今にも殴り合いでも始めてしまいそうな程の、ぴりぴりした空気の中アンジェリークは
この場所から逃れたいとそればかりを考えていたが、二人はそれを許しそうな雰囲気ではなかった。
第3者の意見で自分の言い分の正当化を測っていた。

 「そこで何をしているんです?」

 不意に後ろ方面からかけられた聞き慣れた声に、アンジェリークは振り向いた。
そこには地の守護聖ルヴァの姿があったが‥‥‥‥‥。

 「ルヴァ様!!」
 「オスカーにリュミエール‥‥またですか?。二人ともいい加減にしてくれませんかねぇ。
  あなた方が言い争いをするのはこれで何度目だか、もう私はわからなくなりましたよ」
 「そうは言うがルヴァ!!、この水の守護聖様があまりにも無知だからそれを正そうとしているだけだ」
 「何も知らないのはあなたの方じゃないですか、オスカー」
 「なんだと!?」
 「お止めなさい!!。ほとほと愛想がつきますよあなた方には‥‥‥‥‥」
 「ルヴァ様‥‥‥?」

 その日はルヴァも何所か様子が違っていた。アンジェリークは初めて見るきつい表情のルヴァに
おたおたとその場にうろたえるばかり‥‥。

 「(え〜〜〜ん、一体どうなってるのお〜?。皆様どうしちゃったのかしら??。
   それとも私まだ寝ていて、夢の中なの??。)」
 「もうお行きなさいアンジェリーク。こんな下らない話に付き合う事はありませんよ」
 「なんだと?」
 「下らないとは‥‥。知恵を司るルヴァ様の御言葉とも思えませんね」
 「下らないものを下らないと言ったまでです。あなた達も少し頭を冷やしなさい!」
 「あの‥‥‥あの‥‥‥(恐い‥‥。この場から逃げたい〜〜。)」

 わいわいと言い争う3人と1人。その集まりに回りの人達は遠巻きにこちらを眺めている。
とりあえずルヴァの言う通りこの場から去ろうとすると、オスカーとリュミエールが
物凄い目つきでアンジェリークを睨み、アンジェリークの足はまるで大地に縫い止められてしまったかのように
堅く動かなかった。

 「そこで一体何をしておる」
 「ジュリアス様」
 「‥‥‥辺りの者が怯えている。そこまで声を荒げて何を話し合っているのだ」
 「クラヴィス様!」
 「‥‥ふー。二人とも、部下の教育はしっかりとしてもらえませんか?。
  あなた達二人の事で、”また”オスカーとリュミエールが言い争っているんですよ」
 「またか‥‥‥‥。リュミエール、そなたらしくもない」
 「‥‥‥はい。申し訳ありません」
 「‥‥‥‥‥‥クラヴィス‥‥‥様‥‥‥?」
 「‥‥‥オスカー。お前にはもう言う言葉がない。昨日もあんなに‥‥‥‥もうよい」
 「リュミエール。今日は私の執務室には来なくてよい」
 「ジュリアス様!?」
 「オスカー‥‥‥お前もだ」

 そう言い放つと、ジュリアスとクラヴィスはお互いに振り返り宮殿へと歩いていってしまった。
それは後ろ姿でもわかる程、優しげな空気が流れていた。
何かを小声で話ながら、時折お互いに笑顔を出したりする。
それまでアンジェリークが見てきた、寄ると触るとぶつかり合い、意見を衝突させていた
ジュリアスとクラヴィスからは、こちらもまた想像できない姿だった。

 「お待ちください、クラヴィス様!!」
 「ジュリアス様!?」

 ジュリアスとクラヴィスを怒らせた事、いやこの二人に呆れられた事がオスカーとリュミエールには
きつく怒鳴られるよりこたえるらしい。去っていった二人の後を追ってそそくさと退散していった。

 「すみませんねぇ、変な事に巻込んでしまって‥‥」
 「いいえ!、‥‥‥そんな事はないですけど‥‥‥。あの、一つお聞きしてもイイですか?」
 「私でわかる事であれば」
 「‥‥ジュリアス様とクラヴィス様‥‥あんなに仲がよろしかったでしたっけ‥‥?」

アンジェリークは恐る恐るルヴァに問いかけた。

 「ええ。もう少しプライベートと執務の時間と区別をつけろと、あれ程言っているのにねぇ。
  ジュリアスがいない時は大抵クラヴィスの所にいるし、クラヴィスのいない時も
  ほとんどジュリアスの所に居ますしねぇ‥‥。仲がいいのは結構ですが
  守護聖は9人いるんです。他の連中とも交流してくれないと‥‥‥‥‥‥‥‥」
 「‥‥‥はぁ‥‥‥」
 「っと、いけない。愚痴になってしまいましたねぇ。では、私はこれで」

 そう言ってルヴァはいつにないスピードですたすたと歩いて行ってしまった。
アンジェリークは独り残されて呆然と守護聖様達が消えた先を眺めている。

 「私どうしちゃったんだろう‥‥‥‥‥。昨日までの皆様はどこに行っちゃったの〜?」

 独り途方に暮れるものの、アンジェリークはとぼとぼと歩き出し
とりあえずエリューシオンの育成をしなければと、宮殿に向かって歩いて行った。




続く・・・・






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パラレルなお話です。「もしも〜がこんなキャラだったら」みたいな
お遊び入っちゃってます。お暇ならおつき合いください(* ̄▽ ̄*)。






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