KIEFER ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
アンジェリーク。
お前を想うこの気持ちを、どうお前に伝えたらよいのか‥‥
私は最近そればかりを考えている。
絡む指先から温度となって伝わってゆけばいい。
かわす視線にのって伝わってゆけばいい。
この気持ちを、どう言葉で表現すればよいのか解らぬのだ。
いたずらに互いを傷つけたあの暗く永い夜の時間でさえ、愛おしいとお前は笑う。
どんなにか辛い時間でさえも薄める事の出来なかったこの気持ちは
きっと一生涯変わる事なく続いてゆく想いだと、強く確信出来たからだという。
あの頃の私はまだ若く、見つめあう事もできぬ程離れていても
愛し合えるという事を知らなかったのだ。
あの頃の私はひどく我がままで、のばした指の先にお前がいない事が我慢出来なかった。
しかし今ではあの夜の時間も必要なものだったと心からそう思える。
どんなに忘れようとしても忘れられなかった、消してしまいたくても消してしまえなかった
この想いは永遠に変わる事のないものだと、私もそう確信出来たからだ。
たった一人を決めてしまう事はとても危険な事だと、誰かが言った覚えがある。
その一人が消えてしまえば、私がそれこそ足元から崩れ落ちていくと‥‥。
しかし、触れあう事のできぬ程遠く離れてしまおうとも
私達は愛し合えるという事を、その時の私は知っているであろう。
例えどんなにか苦しい事が私を襲おうとも、お前に降り掛かろうとも
私達は何一つ失うものなど無いのだと、私は心から信じている。
私達が愛しあった確かな二つの証がある限り‥‥‥。
そして私はこれからも探し続けてゆく。
これほどの想いをお前に伝える術を‥‥‥‥‥。
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これは「闇の子供達シリーズ」辺りのクラヴィスの心境のつもりです。
つまり、守護職を終えて下界に降りた後の事。
「闇の子供達シリーズ」を読んで下さった方は解るだろうけど
文中にある「二つの証」というのは子供の事ですね。
‥‥‥まあ、そゆこと。
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