アンジェリークの主張



KIEFER ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




 「クラヴィス様!クラヴィス様!!お願いがあるんですけど‥」
 「‥‥なんだ‥」
 「せっかくのお庭があれじゃ淋しいと思うんです。お花を植えてもイイですか?」
 「好きにするがよい」
 「ありがとうございます!。じゃぁ、お願いしますね」
 「‥何をだ?」
 「お花の種ですよ。マルセルに頼んでいくつかもらって来てもらえます?」
 「私がか‥‥」
 「私が行ってもいいのでしたら、行って来ますけど‥‥」
 「‥‥いや。わかった。憶えておこう」

 アンジェリークが女王職を退いてから、一ヶ月程が過ぎた。
新しい生活にも慣れてはきたが、クラヴィスはまだアンジェリークを屋敷の外には
出していなかった。元女王が聖地の中をあまりうろつかぬ方がいい‥というのは
表向きで、まぶしい程に光り輝くこの天使を、他の者の目に触れさせたくない‥
と、いうのが本音だった。

 「アンジェリーク」
 「は〜い。なんですか?。クラヴィス様」
 「いいかげんその言葉遣いは止めにせぬか?。もう、お互いに”様”をつけて
  呼び合うような仲ではないだろう」
 「私は楽しいですよ。候補生の頃に戻ったみたいで‥」
 「今はもう違う」
 「‥‥本音を言えば、まだ慣れてないんです。私の気持ちが。頭の中に
  まだ”女王”のスイッチがあって、それを切るとどうしてもこうなっちゃうんです」
 「‥もう女王ではない。ただ1人の‥私のアンジェリークだ」
 「それはもちろんそうですけど‥‥‥。でもでも!。
  私とクラヴィス様のこれからの真っ白な時間はまだたくさんあるんですもの。
  これからいくらでも、私とクラヴィス様で新しい関係を創っていけるでしょ?」
 「‥そうだな‥。」
 「だからそれまで、待ってて下さいね?」

 アンジェリークは軽く背伸びをしてクラヴィスにKISSをすると
再び緑の中へ元気に走っていった。何にも束縛されない自由な時間‥‥。
アンジェリークは身体全部でその自由を楽しんでいた。





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これは、アンジェリークが女王を交代してすぐ辺りの話ですねー。
聖地一般では下界に降りたとされる前女王陛下が、こんな所に隠れていたんですねー、
というお話です。短くてすいません。落ちもないし。






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